ワイド馬券の魅力度数 | |
的中難易度 | ★★☆☆☆ |
稼げる度 | ★☆☆☆☆ |
初心者おすすめ度 | ★★★★★ |
20世紀末に新たに導入されたワイド馬券は、馬連よりも的中させやすく、複勝よりもオッズが期待できるという馬券です。導入当初はあまり注目を集めていませんでしたが、その後いろいろな馬券が発売される中で徐々に見直され、2021年現在では初心者からベテランまで広く愛される馬券になっています。
そんなワイド馬券の特徴や狙い方、勝ち方などをご紹介しましょう。
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目次
ギャンブルの射幸心が社会問題になっていた時代に登場
20世紀末、1990年代後半から2000年代前半にかけ、日本国内では「ギャンブル依存症」という言葉が認知され始め、特にパチンコやパチスロを中心に、射幸心を煽らないような規定に、内規改定が行われ始めた時期になります。
特にパチスロは「4号機全盛期」がこの頃であり、大花火、獣王、アラジンA、ミリオンゴッドなど、1日に100万円勝てる可能性はあるものの、1日10万円負けることもあるような機種が並んでいた時代。
そんな射幸心を煽る機種が増えたことで、ギャンブル依存症と思われる方が増加。ギャンブル全般において射幸心を抑える動きが顕著になります(※一応注釈ですがパチンコ・パチスロは、国の公式見解ではギャンブルではなく「遊技機」です)。
この社会の動きに合わせるように誕生したのがワイド馬券です。
選んだ2頭が1~3着に入れば的中
ワイド馬券は2頭の馬番を選んで投票する馬券です。投票した2頭が1~3着に入れば的中。つまり買った2頭が1&2着、1&3着、2&3着で的中という馬券です。当然ですが馬連よりも的中させやすく、その分オッズの低い馬券であり、ギャンブルの射幸性が問題になっていた時代に適した馬券と言えます。
しかし、すでに馬連が発売されていた当時、ワイドが発売されたからといって注目を集めることはあまりありませんでした。ワイド馬券自体の売り上げが低く、馬連と比較すると配当の妙味がなかったのも大きな原因でしょう。
控除率と的中率に注目が集まる
ここからは想像ですが、最初にワイド馬券に注目したのは、恐らく馬券で生計を立てる馬券生活者の方でしょう。その理由は2014年6月に改正されたJRAの控除率にあります。
2014年の改正前は、券種による控除率の差がなく、また控除率は売り上げや的中馬券の人気によっても変動していたため、事前に控除率を考えて馬券の券種を考えることはあまりありませんでした。
しかし2014年の改正で、ワイド・枠連・馬連の控除率は22.5%で固定となります。同じ控除率であれば、的中させやすい馬券の方が回収金額は期待できるということに。そのため、より効率的に馬券で儲けたい馬券生活者たちがワイド馬券を狙うようになり、これは2021年現在も続いています。
魅力度数の解説
控除率の割りに的中させやすいワイド馬券ですが、ここからは最初に紹介した魅力度数に関してそれぞれ解説していきましょう。
的中させやすさはかなり上位
ワイド馬券は、複数の馬の結果を予想する連勝式の馬券の中では、もっとも的中させやすい馬券となります。何しろ枠連や馬連では的中とはならない3着でも的中となるのですから、ほかの馬券以上に的中させやすいのは間違いありません。
もちろん、単勝や複勝のように1頭の結果を予想する馬券と比較すれば難易度はやや上がりますが、それでも数ある馬券の中では、当てやすい部類と言っていいでしょう。
儲かる度は考え方次第
上の魅力度の表では、儲かる度を最低の星1つと評価しましたが、これも考え方ひとつでしょう。1レースの予想における儲け度と考えれば、単勝や複勝同様儲け度は最低レベルになります。単勝や複勝と比較すると配当は高めの傾向がありますが、そのかわり的中させるのが難しい分儲け度は低くなります。
しかし、長い目で見た場合の儲け度はどうでしょう。的中率の高さから、それだけ地道にでも儲ける可能性は高くなります。これは複勝などでも同様ですが、少しずつ長い目で見た儲け度ではかなり高くなるといえるでしょう。
馬券生活者と呼ばれる方や、回収率100%超えを重視するAI予想などで、複勝馬券やワイド馬券が多く推奨されるのは、この長い目で見た場合の儲け度が高い点がポイントとなっています。
初心者でも挑戦しやすい馬券
競馬初心者の方には、まずは数多くの的中を経験しながら、競馬予想の経験を増やしていくことがおすすめです。経験を増やすためには、より多くのレースを購入する必要があり、より多くのレースを購入するには、それだけ的中させる必要があります。
そう考えると、おすすめとなる馬券はまず複勝馬券です。最初は予想するレースで複勝1点での勝負がおすすめですが、予想に慣れるにつれ複勝で狙いたい馬にも違いが表れます。
複勝で狙う馬に、より自信があるのであれば、複勝よりも的中条件は厳しいものの、オッズの高い単勝馬券での勝負がおすすめ。また、複勝で狙いたい馬が複数いる場合は、3着以内に入る馬が複数いるということですから、ワイド馬券がおすすめとなります。
まずは複勝を的中させることを前提に予想し、複勝で狙いたい馬が複数いる場合ワイド馬券も視野に入れてみるといいでしょう。
ワイド馬券の買い方
ワイド馬券も通常通り1点ずつ購入する方法以外にいくつかの購入方法があります。そんなワイド馬券の買い方と注意すべきポイントを紹介していきましょう。
ワイドボックス買い
まずは馬連などでも利用されるボックス買いです。選んだ頭数による買い目点数は馬連と同じになります。
ボックス買いのメリットは、3点全的中を狙えるという点。ワイド馬券は1点の配当が安いというデメリットがありますが、3点すべて的中できればこのデメリットを回避できます。
反面ボックス買いのデメリットは買い目点数が増えてしまうこと。繰り返しになりますが、ワイド馬券はオッズの低い馬券です。オッズの低い馬券は点数を控えるのが大鉄則ですから、ボックス買いはその鉄則に反することになります。
ボックス買いを利用する場合は、3点全的中が狙える場合、もしくはオッズが期待できる場合に限られますので覚えておきましょう。
ワイド流し馬券
ワイドで馬券を購入する場合、比較的多いのがこの1頭軸流しの馬券です。3着以内に必ず入ると予想した馬を軸馬とし、相手に3着以内に入りそうな複数の馬を狙うという買い方になります。
流し馬券を購入するメリットは、点数を抑えることができるということ。配当が安いワイド馬券に適した買い方とも考えられます。一方デメリットは3点的中がないということとタテ目の可能性があること。軸馬が1頭ですから、当たったとしても2点が最大。3点目は絶対に的中しないということになります。
フォーメーション買い
流し馬券でも3点全的中を目指したいというのであれば、フォーメーション買いがおすすめです。フォーメーションは、複数の軸馬から流し馬券を購入する馬券となります。実際の買い目を確認してみましょう。
軸 ①②
相手 ①②③④⑤
ワイドフォーメーションでこのような買い方をした場合の買い目は以下の通りになります。
①-②,①-③,①-④,①-⑤
②-③,②-④,②-⑤
購入できるのはこの7点。①②③のボックス買いに加えて、①から④⑤、②から④⑤に流す7点です。この買い方をすると3着以内が①②③であれば3点全的中が可能となります。
メリットは3点的中を目指しながら、流し馬券のように手広く抑えることができるということ、デメリットはやはり買い目がやや多くなってしまうことでしょう。
ワイド馬券での勝ち方
ワイド馬券で勝つには、配当の安さをどうフォローするかが最大のポイントです。このポイントを中心に、ワイド馬券で勝つ馬券術を考えていきましょう。
買うレースを絞り込む
回収期待値が低くなるワイド馬券ですが、回収率を高めるには、的中率を上げるのが最短でしょう。的中率を上げるのであれば、より的中の可能性が高いレースのみに絞り込んで勝負をするという方法が最善手となります。
この場合狙うのは人気サイドのワイド馬券。上位人気が安定して上位に来そうなレースを選んで購入するのが的中率を上げる手段となります。
参考までに2020年に行われた全レースから抽出したデータが以下の通り。
2020年の全レース数 | 3,456レース |
内12頭立て以下のレース | 998レース |
内3番人気のオッズが5.0倍以下のレース | 328レース |
内1~3番人気が1~3着を独占したレース | 57レース |
つまり、出走頭数が12頭以下で、3番人気のオッズが500円以下という条件を満たせば、約17%の確率で1~3番人気が上位を独占するということに。ちなみにこの条件を満たしたのが2020年の京都記念です。
★2020年2月16日 京都11R 京都記念(GⅡ) 9頭立て
着順 | 馬名 | 人気 | ワイド配当 |
1着 | ⑦クロノジェネシス | 1番人気 | ①-⑦ 180円 ⑤-⑦ 230円 ①-⑤ 210円 |
2着 | ①カレンブーケドール | 2番人気 | |
3着 | ⑤ステイフーリッシュ | 3番人気 |
このレースで、1~3番人気のワイドボックスを1,000円ずつ購入していれば、3点全的中で払い戻しは6,200円。回収率200%超えとなります。
このように、条件を自分なりに絞り込むことで、より高確率で的中させることができるでしょう。
人気サイドを軸にする
的中率を上げるには、確実に上位に来る馬が分かっているようなレースを狙うのが定石。そうなる可能性が高いのは、上位人気の馬が人気通り上位に来るレースでしょう。つまり、ワイドで勝つことを念頭に置くのであれば、穴狙いの馬券よりも、堅い馬券を確実に獲ることを意識するのが得策ということになります。
もちろん圧倒的1番人気といっても、確実に3着以内に来るわけではありません。しかし確率的には非常に高くなるのは間違いありません。
参考になるデータを見てみましょう。
1番人気の単勝オッズが190円以下だったレース | 730レース(3,456レース中) |
この時の1番人気の成績 | 【342.163.90.135】 |
1番人気・勝率 | 46.8% |
1番人気・連対率 | 69.2% |
1番人気・複勝率 | 81.5% |
1番人気の単勝が190円以下のレースでは、1番人気が3着以内に来る確率は80%以上。1番人気を軸にワイドを狙うには十分な数値です。相手を間違えなければ、5レースに4レースは的中することになります。
こちらも条件を自分なりに決めて狙ってみるのがおすすめです。
穴馬を軸に据えた流し馬券
こちらは少々上級者向けの狙い方。レースを予想する中で、どうしても気になる穴馬がいたら、その穴馬からワイド馬券を流すという狙い方もあります。流す相手は基本的に人気サイドがおすすめ。
基本的にJRAのレースで、1~3番人気が1頭も3着以内に入らないレースは稀であり、人気薄から人気薄へのワイド馬券は、的中期待度が非常に低い馬券となります。
穴馬から狙う場合は基本的には人気サイドへの流し馬券がおすすめ。人気薄を相手に入れたい場合も、絞り込んで点数が増えすぎないように注意しましょう。
人気薄のワイドボックス馬券は避ける
最後に勝ち方というよりできればやらない方がいい買い方を紹介。それが人気薄のワイドボックス買いです。
ワイド馬券は配当が安いため、それでも高配当が欲しいとなると、人気薄同士の組み合わせを狙いたくなるところです。しかも人気薄から狙う場合、流しで買ってタテ目が発生すると非常に悔しいため、ボックス買いを選ぶ方が多いかと思います。
しかし、これは相当難易度の高い買い方です。2020年のデータから、1~3着がすべて5番人気以下だったレースを調べると、3,456レース中わずか127レースでした。その確率約4%。25レースに1度あるかないかの確率です。
さらに5番人気以下の馬の中から3着以内に入る穴馬を正確に見出すという難しい予想になるため、的中率を考えればさらに低くなるということに。とても回収が期待できる買い方ではありません。
まとめ
ワイド馬券は配当こそ安いものの、的中させやすい馬券として、初心者の方、また長期的に勝ち続けたいという方におすすめの馬券となります。
1レース当たりの儲けはどうしても少なくなりますが、購入するレースを厳選することで的中率を上げ、結果回収率を高めることもできます。
ワイド馬券で勝ちたい方は、ワイド馬券で狙うべきレースを見極め、人気サイドの馬から確実に的中できるような買い方をしましょう。自分なりに狙うべきレースの条件を決めておくと分かりやすくていいかと思います。
もうひとつ。馬連で狙った馬券が、1着3着、2着3着などで外れるという方も、馬連の抑えで同じ買い目のワイドを買うのもひとつの狙い方。トリガミになるかもしれませんが、馬連だけで回収0よりも、少なくとも回収できるのでおすすめです。
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