万馬券率約3%の枠連馬券は現代競馬でも使えるか?

枠連説明 馬券の種類及び勝ち方
枠連馬券の魅力度数
的中難易度 ★★☆☆☆
稼げる度 ★★☆☆☆
初心者おすすめ度 ★★☆☆☆

現代の競馬は出走馬を8つの枠に振り分けてレースが行われます。この枠番を利用して馬券を予想するのが枠番連勝複式馬券。つまり枠連となります。枠連は近年ではあまり購入されなくなった馬券ですが、どのような馬券で、どのような狙い方があるかを検証していきましょう。

枠連発売は1963年から

枠連
競馬自体は明治時代から行われていたという資料が残っています。もっとも古い資料によると、初めて競馬が行われたのは1888年(明治21年)。ここから日本の競馬は紆余曲折を経て現在まで継続されています。

この長い歴史の中で、連勝式(複数の馬の着順を当てる馬券)が初めて発売されたのは1963年(昭和38年)から。日本競馬の誕生から85年が経過した年からでした。この年競馬枠番が最大6枠から8枠に増え、この枠番改定に合わせて売り出されたのが枠連馬券となります。

1&2着馬の入っている枠を当てる馬券

出馬表_枠
9頭以上のレースにおいて、競馬で出走馬は8つの枠に分けられます。出走馬の中で1着馬の入っている枠と、2着馬の入っている枠を連勝複式で購入するのが枠連馬券です。馬連と比較すると組み合わせが少なく、より的中させやすい馬券と言えるでしょう。

例えば2021年のNHKマイルCを見てみましょう。1着馬と2着馬の入っていた枠のみを抜粋してみます。

枠番 馬番 馬名 人気 着順
5 ゴールドチャリス 18番人気 16着
ソングライン 7番人気 2着
7 ホウオウアマゾン 4番人気 9着
ショックアクション 14番人気 13着
シュネルマイスター 2番人気 1着

このNHKマイルCの馬連オッズ(⑩-⑮)は3,690円枠連オッズ(5-7)は2,880円でした。ちなみにこのNHKマイルCの枠連5-7を買った場合、以下の馬連の組み合わせのすべてで的中となります。

⑨-⑬,⑨-⑭,⑨-⑮
⑩-⑬,⑩-⑭,⑩-⑮

この6点を1点買いでカバーできるわけです。ちなみにこのNHKマイルCでは、両枠でもっとも人気の高い馬同士で決着しましたので、枠連と馬連のオッズに大きな差は出ませんでした。しかし、人気薄同士の決着になると、差はより大きくなります。仮にこのNHKマイルCが⑨-⑭で決着していた場合を調べてみました。

枠連 2,880円
馬連 1,016,340円

このように波乱の結果となった場合、馬連と枠連で大きな配当差が出ることがあります。

魅力度数の解説


記事の冒頭に、まったくもって個人的な見解ですが、枠連馬券の魅力度数を五つ星で評価してみました。この3つの項目に関して簡単に解説していきましょう。

組み合わせは最大で64通り

オッズ
枠連馬券が発売されるのは出走馬が9頭以上のレース。組み合わせは16頭以上のレースで最大となり、64通りとなります(9頭のレースでは最少の29通り)

組み合わせの数は、馬連などよりもかなり少なく、馬券の中では当てやすい部類の馬券となります。

万馬券出現率は約3%

馬とお金
枠連馬券は最大64通り。単勝馬券や複勝馬券と比較すると的中難易度はかなり上がります。しかしそれでも万馬券は滅多に出ない馬券です。実際に2020年に行われた全レースのデータを検証しておきましょう。

2020年枠連馬券配当データ
最高配当 2020年5月16日 東京9R 86,110円
最低配当 2020年8月30日 小倉1R 120円
平均配当 2,262.9円

2020年に中央競馬で行われたレース数は3,456レース。この中で枠連の配当が万馬券決着になったのは112レース。その割合は約3%であり、狙って的中させるのはかなり難しい数字です。

枠連は大きな配当を狙う狙うような馬券ではなく、比較的人気サイドの馬券を点数を絞って的中させる馬券といえます。

初心者はかえって狙いにくい場合も

Wakabamark
枠連馬券は複数の馬を狙って的中させる馬券の中では、比較的的中させやすい馬券ではあります。そう考えると、馬券を的中させた経験が少ない初心者におすすめの馬券ともいえるでしょう。

しかし枠連はその特殊性から、初心者には狙いにくい馬券とも言えます。そもそも枠連を購入するにも、予想をするときは馬の実力から予想を行います。つまり馬の実力比較をしているわけで、枠ごとに実力を比較しているわけではありません

馬同士の実力を比較するのであれば、枠連で買う理由はほとんどなく、馬連で購入した方が回収期待値も高いですし、シンプルに考えることができます

ある程度競馬の予想に慣れている方であれば、よりリスクが少ない方法、回収が期待できる方法で購入する余裕もあるでしょう。しかし競馬の予想に時間がかかる初心者の方は、あまり多くのことを考える余裕がありません

初心者の方は、まずは複勝やワイド、自信があるときは単勝や馬連を軸に予想するのがおすすめ。少々予想にクセがある枠連の購入はあまりおすすめできません。

枠連で勝つ方法

スマホ
枠連で勝つといっても特別なことはありません。単勝や複勝などと比較すると平均的なオッズも高くなるため、オッズを見ながらトリガミにならないように購入するのがポイントです。

トリガミとは、馬券が的中したとき、購入金額よりも払戻金額が低くなることを指します。3,000円で馬券を購入し、馬券が的中して2,000円の払い戻しがあった場合は、マイナス1,000円でトリガミとなります。

条件がそろったときのみ狙う

競馬新聞
枠連馬券を購入するレースを考えると、ある程度条件がそろっている時となります。2021年最初の重賞、東西の金杯で、枠連に関する面白い結果が出ていますので見てみましょう。

★2021年1月5日 中山11R 中山金杯

枠番 馬番 馬名 人気 着順
2 ココロノトウダイ 5番人気 2着
マイネルサーパス 16番人気 16着
5 ヒシイグアス 2番人気 1着
アールスター 13番人気 5着

・枠連配当…2,000円
・馬連配当…1,990円

中山金杯は比較的珍しいケース。2枠と5枠がともに人気サイドと人気薄の組み合わせとなり、枠連配当が馬連配当よりも10円高くなっています。枠連の購入金額が低いために起こる現象で、時折みられる逆転現象です。

★2021年1月5日 中京11R 京都金杯

枠番 馬番 馬名 人気 着順
1 ケイアイノーテック 5番人気 15着
ケイデンスコール 12番人気 1着
2 ロードマイウェイ 6番人気 16着
ピースワンパラディ 2番人気 2着

・枠連配当…1,590円
・馬連配当…8,950円

一方京都金杯は、12番人気が勝つ波乱の決着。馬連で的中させるのは難しい馬券ですが、枠連であれば2番人気と5番人気、もしくは5番人気と6番人気という2点がカバーできる馬券ですから購入は難しくありません

枠連の配当はさほどではありませんが、波乱のレースでも枠連であれば的中は難しくないレースでした。

こういった条件が整っていれば枠連を狙っても面白いというレースを紹介しました。

もうひとつ狙えるケースは枠連のゾロ目です。例えば18頭立てのレースで馬連⑨-⑩を購入するのと、枠連5-5を買うのは同じ賭け方になります。意味は同じですが、オッズは馬連と枠連で別の計算になりますので、ケースによっては馬連よりも枠連の方が配当が高いケースも。その一例をご紹介しましょう。

★2020年12月20日 中山3R 2歳未勝利戦

着順 枠番 馬番 馬名 人気
1着 3 キミワテル 3番人気
2着 3 オレデイイノカ 1番人気

このレースの馬連⑤-⑥のオッズは880円、対して枠連3-3のゾロ目は1,080円でした。こういったレースも時折発生しますので、オッズはチェックしておきましょう。

枠連で買うデメリット

メリットデメリット
デメリットはやはり馬連や馬単といった馬券と比較すると配当が安くなるということ。特に「代役的中」の場合は、大きく損をするケースがあります。

例えば上で紹介した京都金杯のケース。12番人気の②ケイデンスコールを狙っていた場合、馬連で買わないと配当面で大きくマイナスになります。

オッズや同枠の人気などに気を使わないと、せっかくの的中がもったいない結果となりかねませんので気をつけましょう。

まとめ

Race03
枠連はかつては唯一の連勝式馬券であり、多くの競馬ファンが購入している馬券でした。しかし1991年に馬連が導入され、その後ワイド、馬単、三連複、三連単、WIN5など多様な馬券が発売されるようになった現在、なかなか狙うチャンスが少ない馬券となっています。

当てやすい部分はありますが、使いにくい馬券でもあり、買い方にセンスが表れる馬券といえるでしょう。

 

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