日本国内には複数の競馬主催団体がありますが、大きく分ければ中央競馬と地方競馬の2つにまとめられます。さらに中央競馬と地方競馬では馬券購入の方法にも多少の違いがあります。
特に初心者の方にとっては違いが判別しにくい、中央競馬と地方競馬の違いを、馬券購入方法の違いという点を中心に解説していきます。
目次
中央競馬と地方競馬の基本的な違い
まずは大前提として、中央競馬と地方競馬は何が違うのかという点を簡単に解説しておきます。
中央競馬は「日本中央競馬会(JRA)」という特殊法人が運営しています。JRAは農林水産大臣の監督下にある農林水産省の外郭団体であり、資本金は全額日本国政府が出資していることもあり、中央競馬=国営競馬と思われがちですが、厳密にいうとこれは間違い。
あくまでもJRAは民間団体であり、中央競馬も民間事業です。しかしその運営は競馬法という法律に基づいて行われるため、国営競馬のように見えるだけ。JRAが国営競馬であれば、JRAで働く方はみんな国家公務員になってしまいます。
一方地方競馬を管轄、監督するのは各都道府県、もしくは関連自治体になります。そのため基本的には各競馬場ごとに運営が行われており、ひとつの地方競馬主催者が複数の競馬場で運営を行っているということはありません。
全国に10の競馬場を持ち、国の監督下で競馬を運営しているのが中央競馬、全国15の競馬場において、それぞれ都道府県や自治体の認可を受けて競馬を主催しているのが地方競馬ということになります。
馬券の購入方法は基本的に一緒
中央競馬と地方競馬において、馬券の購入方法の基本的な部分は同じです。特に競馬場で馬券を購入する場合は、マークカードに記入し、発券機で購入するという点では全く違いはありません。
また、中央競馬にも地方競馬にもネット投票は存在し、この点でも大きな違いはないということになります。
しかし、根本的に違う点がいくつかあるので、この点を解説しておきましょう。
ネット投票の違い
中央競馬のネット投票は、JRAのネット投票サービス(即PAT、A-PAT、JRAダイレクト)を利用する形になります。中央競馬は北海道から九州まで日本中に競馬場があり、全国の競馬ファンに対応するため、自社で独自のサービスを行っているということになります。
一方地方競馬は、基本的に競馬場単位で主催者が変わり、地元の方向けに開催をしています。競馬ファンからしても、例えば北海道に住んでいる方が遠い佐賀競馬に興味を持つということは稀ですし、四国の方が岩手県の水沢競馬に興味を持つことも稀でしょう。
こうなると、地方競馬の主催者が全国規模のネット投票システムを運営するのは資金的にも難しく、あまり意味がないというのが現実です。
しかし、すべての地方競馬を購入できるとなれば話は別です。ひとつのネット投票システムで、全国の地方競馬の馬券が購入できるとなれば、多くの競馬ファンを集めることができます。
地方競馬のネット投票は、地方競馬主催団体が運営しているのではなく、外部団体に販売を委託している形となり、現在複数のサイトからネット投票が可能になっています。
主な地方競馬発売サイト
地方競馬の発売をしているネット投票サイトは4つ。
- 即PAT
- 楽天競馬
- オッズパーク
- SPAT4
それぞれの特徴をご紹介しましょう。
即PAT
JRAの馬券を購入できる即PATは地方競馬の馬券を購入することにも対応しています。ただし基本はあくまでも中央競馬の馬券をネット購入するシステムのため、中央競馬発売の前日である金曜日、および開催翌日の月曜日は地方競馬の馬券購入ができません。
中央競馬の馬券発売前の準備、発売後の処理の関係で中央競馬開催日前後には利用できないため、完全とは言えない部分はありますが、火曜日~木曜日の3日間、及び土日の地方競馬は購入できます。
楽天競馬
北海道のばんえい競馬も含め、全ての地方競馬のレースをネットで購入できる楽天競馬。楽天銀行に口座を持っている方で、20歳以上の方であれば誰でも登録可能で、入会金や年会費がかからないサービスになります。
楽天競馬の大きな特徴は、馬券購入でも楽天ポイントが付与されるということ。普段楽天市場で買い物をされるという方には、非常に便利なサイトになります。
オッズパーク
TVCMでもおなじみのオッズパークも、地方競馬の馬券を購入できるサービスです。楽天競馬との違いは、南関東4場(大井・船橋・川崎・浦和)、およびホッカイドウ競馬(門別)の馬券が購入できないことです。
ただし、オッズパークの指定する銀行で馬券投票専用の専用口座を開設し、「市中銀行会員」となれば南関東4場のグレード競走に投票が可能となります。また、PayPay銀行の口座で申し込むと、ホッカイドウ競馬の馬券が購入できます。
一部購入できない競馬場はありますが、その代わり銀行口座の指定はなく、多くの銀行口座が対象となっていますので、入会しやすいという特徴もあります。もちろん入会金・年会費は無料です。
さらに競馬場では購入できない独自の馬券が購入できるのも特徴です。
SPAT4
SPAT4は、南関東4場(大井・船橋・川崎・浦和)が独自に開発したネット投票システム。発足当初は南関東4場のみの発売でしたが、その後ホッカイドウ競馬が加入し、2021年現在はすべての地方競馬の馬券を購入できるサイトになっています。
こちらも入会金・年会費は無料。さらに独自のポイント制度も導入しており、関東圏を中心に多くの方に利用されているネット投票システムとなっています。
発売される馬券の種類
中央競馬と地方競馬で発売されている馬券は基本的に同じであるケースがほとんどです。しかし、一部地方競馬において、中央競馬にはない馬券を発売しています。
★枠番連勝単式
南関東4場や、金沢競馬で発売されているのが枠単です。1着馬と2着馬の入っている枠番を、着順通り順番に的中させるという方式。中央競馬では採用されていない、独自の馬券ということになります。
LOTO
ここではまとめてLOTOと総称しますが、これはネット投票システムの運営会社が独自に発売している馬券です。そのため競馬場や場外馬券場では購入できず、そのネット投票システムに加入しないと購入できません。
★オッズパークLOTO
オッズパークに加入すると購入できるLOTO馬券は2種類。
5重勝単勝式 | 7重勝単勝式 | |
的中条件 | 5レース連続で1着馬を当てる | 7レース連続で1着馬を当てる |
1点あたりの賭け金 | 100円 | |
最高配当 | 6億円 | |
キャリーオーバー | アリ | |
発売競馬場 | 帯広・水沢・盛岡・笠松・姫路・園田・佐賀 | (セレクト) 帯広 (ランダム) 佐賀 |
5重勝単勝式は「セレクト方式」のみ、7重勝単勝式は「セレクト方式」と「ランダム方式」が発売されています。セレクトは自分で予想して購入する方式、ランダムはコンピューターがランダムで買い目を決める、宝くじのような方式になります。
★SPAT4LOTO
SPAT4でもLOTO馬券が発売されています。
トリプル馬単 | |
的中条件 | 3レース連続で馬単を的中させる |
1点あたりの賭け金 | 最低50円から10円単位 |
最高配当 | 3億円※ |
キャリーオーバー | アリ |
発売競馬場 | 門別・浦和・大井・船橋・川崎 |
※法令で配当金は「10円あたり6,000万円まで」と定められているので、50円の投票に対し3億円が上限となる。
3レース連続で馬単馬券を的中させるトリプル馬単は、南関東4場、およびホッカイドウ競馬の全開催日で発売されている馬券です。購入は最低50円から10円単位で購入が可能。最高配当は3億円。的中は難しい馬券ですが、10円単位で購入できる馬券でもありますので、宝くじ感覚で楽しめる馬券といえます。
おすすめ地方競馬投票サイトSPAT4の登録方法
- 指定銀行に口座を開設する(すでに持っている方は2へ)
- 口座を持っている銀行をタップ
- 銀行のサイトにログイン
- 銀行サイトで必要事項を入力し次へ
- 楽天競馬サイトで約定への同意や個人情報の入力
- 加入者番号と利用者IDを取得
- SPAT4プレミアムポイントに登録
地方競馬の馬券はいろいろとあり、それぞれにメリットもありますが、ここではもっとも使いやすく楽しめるSPAT4の登録方法をご紹介します。
手順①指定銀行に口座を開設する
口座は特別なものである必要はありません。普通口座を開設していれば加入できますので、下記銀行に口座を持っている方はそのまま登録が可能です。持っていない方は、いずれかの口座をまず開設しましょう。
PayPay銀行 | イオン銀行 | 楽天銀行 | auじぶん銀行 |
三井住友銀行 | 三菱UFJ銀行 | りそな銀行 | 埼玉りそな銀行 |
千葉銀行 | 横浜銀行 | ゆうちょ銀行 | 住信SBIネット銀行 |
手順②口座を持っている銀行をタップ
口座を持っている方はSPAT4のHPで「加入方法」をクリックし、自身の持っている銀行をクリックします。ここでは楽天銀行に口座を持っているケースで説明しますが、どの銀行でも手順は基本的に変わりません。
手順③銀行のサイトにログイン
銀行マークをクリックすると、各銀行のログイン画面に移行しますので、ログインします。
手順④銀行サイトで必要事項を入力し次へ
銀行サイト内で必要事項を入力、もしくはチェックして次へ進みます。
手順⑤楽天競馬サイトで約定への同意や個人情報の入力
楽天競馬のサイトに戻りますので、約定への同意や、氏名・住所・電話番号など必要事項を入力します。
手順⑥加入者番号と利用者IDを取得
画面に加入者番号と利用者IDが表示されます。この2つはSPAT4にログインする際に必要になりますので必ずメモをしておきましょう。
手順⑦SPAT4プレミアムポイントに登録
加入者番号と利用者IDが表示されている画面で、メールアドレスなどを入力し、その下のSPAT4プレミアムポイントへ加入するためのボタンを押すと、登録したメールアドレスにメールが届きます。
このメールにあるURLに飛ぶとSPAT4プレミアムポイントへの加入が完了。これで入会手続きは完了となります。
SPAT4の購入方法
SPAT4での馬券購入方法は、基本的に画面の表示に沿って進めば問題ありません。まずは銀行口座からSPAT4に馬券購入用の予算を移行してから狙っている競馬場・レース・券種を選んで購入しましょう。
購入締め切り時間は、南関東4場・ホッカイドウ競馬の5場は発送予定時刻の1分前、その他の競馬場は2分前までとなります。
まとめ
中央競馬と地方競馬は主催する母体が違い、国の管轄下にあるのが中央競馬、各都道府県及び自治体の管理下にあるのが地方競馬となります。
そのため地方競馬は基本的に競馬場が主催者となっており、全国的に馬券を発売するのが難しくなります。この点を解消したのが楽天競馬やオッズパークといった地方競馬馬券購入サイトです。
全国の地方競馬団体と契約し、全国の地方競馬をまとめて購入できるサイトであり、全国で自宅にいながら馬券が購入できるようになりました。
どのサイトにもそれぞれ特徴があるため、自身にあったサイトを探して加入するのがおすすめ。基本的に入会金や年会費は不要ですので、安心して加入しておきましょう。
馬券の種類は中央と地方で大きな差はありません。ただし、地方競馬投票サイトでは、独自の馬券を販売しているケースもありますので、こういった馬券で楽しむのもいいでしょう。
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