3連単馬券の魅力度数 | |
的中難易度 | ★★★★☆ |
稼げる度 | ★★★★★ |
初心者おすすめ度 | ★☆☆☆☆ |
3連単は1レースの予想を行う上ではもっとも高配当を期待できる馬券です。それだけに的中したときの破壊力は十分ですが、的中が難しい馬券でもあります。そんな3連単馬券の特徴や勝ち方などを検証していきましょう。
目次
歴代最高配当は家を買えるレベル
3連単が導入されたのは2004年。当初は開催日後半の4レース限定の発売でしたが、2008年から全レースで購入できるようになりました。1レースの予想を行う馬券としてはもっとも新しい馬券となります。
特徴はなんといってもその破壊力。ちなみに過去の最高配当は29,832,950円であり、100円玉1枚が、数分後には家を一軒買えるレベルに増えるという、夢のような配当になっています。
1~3着を着順通りに当てる
3連単は、1着から3着までに入る馬を、着順通りに予想する馬券です。それだけに的中させることは非常に難しく、組み合わせの数も非常に多くなります。
◎3連単と馬連の組み合わせ数
出走頭数 | 14頭 | 15頭 | 16頭 | 17頭 | 18頭 |
馬連 | 91点 | 105点 | 120点 | 136点 | 153点 |
3連単 | 2,184点 | 2,730点 | 3,360点 | 4,080点 | 4,896点 |
馬連と比較してもその組み合わせ数の差は歴然であり、単純にそれだけ難しい馬券ということになります。
魅力度数の解説
3連単の特徴を表すために、魅力度数で評価をしましたが、その詳細について解説していきたいと思います。
的中難易度は限りなく★5に近い★4
魅力度数では、的中難易度を★4つと評価しましたが、これはWIN5の的中難易度が★5つのため、その差を表現するために4つとしただけです。感覚としては限りなく★5に近い★4であり、難易度は最高レベルといえます。
的中難易度の高さは、配当金の高さからも推測できます。そこで過去の3連単配当TOP10を紹介しておきましょう。
日付 | レース | 3連単配当 |
2012年8月4日 | 2歳新馬戦 | 29,832,950円 |
2015年9月21日 | 2歳未勝利戦 | 27,929,360円 |
2017年12月3日 | 3歳上500万条件 | 22,946,150円 |
2017年12月9日 | 3歳上500万条件 | 21,802,320円 |
2021年2月20日 | 3歳1勝クラス | 20,738,890円 |
2015年5月17日 | ヴィクトリアマイルC(GⅠ) | 20,705,810円 |
2011年2月13日 | 3歳未勝利戦 | 19,507,010円 |
2005年10月22日 | 3歳上1000万条件 | 18,469,120円 |
2019年2月10日 | 4歳上1000万条件 | 18,068,890円 |
2006年9月9日 | 汐留特別(3歳上500万条件) | 16,559,120円 |
※500万条件は現在の1勝クラス、1000万条件は現在の2勝クラス
ちなみに余談ですが、配当ランキング1位の新馬戦を14番人気で勝ったミナレットは、ランキング6位のヴィクトリアマイルCでも18番人気3着と波乱の主役に。ミナレットは生涯12度3着以内をマークしましたが、5番人気以下だったのが8度と、生涯穴馬という珍しい馬でした。
さらに余談ですが、このミナレットの仔、コルニリア(美浦・大和田厩舎/父モンテロッソ)は未勝利戦で10番人気3着、4番人気1着、1勝クラスを10番人気1着と、母譲りの穴馬っぷりを見せています(2021年9月現在)。
一撃必殺の魅力にあふれる馬券
3連単は高配当が期待できる馬券です。まずは2020年のデータを紹介しましょう。
2020年3連単馬券配当データ | ||
最高配当 | 2020年8月22日 新潟11R | 6,728,500円 |
最低配当 | 2020年8月23日 札幌5R | 550円 |
平均配当 | 136,500.5円 |
平均配当は10万円超え、最高配当も670万円超えと、夢のある配当が並びます。ちなみに最低配当が出たのは、2021年の皐月賞を無敗で制し、ダービーでも僅差の2着だったエフフォーリアのデビュー戦。7頭立てで1~3番人気が人気通りの順番で入線したレースになります。
初心者にはおすすめしにくい馬券
初心者でもいろいろな馬券で楽しむ権利はあります。しかし、勧めるかどうかで聞かれれば、3連単は勧める馬券とはいえません。
大きな理由は当然ながら的中率が低いということ。競馬に興味を持ち、馬券を買い始めた方に、なかなか当たらない馬券を勧めてしまうと、的中ができず競馬はつまらない、当たらないということになりかねません。
もうひとつおすすめできない理由は購入点数が多くなることです。3連単は3頭を順番通りに当てる必要性があるため、どうしても組み合わせ点数が多くなります。参考までに主要券種のボックス馬券の点数をご紹介しましょう。
3頭 | 4頭 | 5頭 | 6頭 | 7頭 | |
馬連 | 3点 | 6点 | 10点 | 15点 | 21点 |
馬単 | 6点 | 12点 | 20点 | 30点 | 42点 |
3連複 | 1点 | 4点 | 10点 | 20点 | 35点 |
3連単 | 6点 | 24点 | 60点 | 120点 | 210点 |
6頭ボックスですでに100点を超えるため、最低賭け金の100円ずつを賭けても1万円以上になります。
的中率が低いうえに、買い目がどうしても増えてしまう3連単は、競馬初心者の方にはあまりおすすめできない馬券となります。
3連単馬券の買い方
3連単馬券には通常投票以外にいくつかの買い方があります。ボックス投票、フォーメーション投票、そして流し投票、マルチ投票の4つです。それぞれの特徴とメリットデメリットを紹介しましょう。
ボックス投票
ほかの馬券でも利用される買い方であり、選んだ馬全ての組み合わせを抑える馬券です。ボックス投票のメリットは狙った馬が来れば必ず当たるという点。いわゆるタテ目や抜け目が存在しないことでしょう。
一方デメリットは購入点数が多くなることです。上の項目でも触れましたが、3連単のボックス買いは買い目点数が跳ね上がりますので、資金が必要になるのと同時に的中した際のトリガミや、儲けの少なさなどが考えられます。
フォーメーション投票
フォーメーションは1~3着の着順ごとに狙う馬を指定する買い方になります。ボックス投票よりも買い目を抑えつつ、狙っている馬券のみを購入できるメリットがあります。ボックス投票とフォーメーション投票の買い目の差を、実例を挙げて確認してみましょう。
あるレースで、6頭の馬を狙っているとします。この6頭をボックス投票で買うと購入点数は120点となります。フォーメーションで狙ういくつかのパターンで購入点数を確認していきましょう。
★本命・対抗のみを1着に狙う
1着…◎〇
2着…◎〇▲△△△
3着…◎〇▲△△△
この場合の買い目は40点となります。
★本命・対抗のみを1着に狙い、2着を4頭まで絞り込む
1着…◎〇
2着…◎〇▲△
3着…◎〇▲△△△
この形のフォーメーションですと買い目は24点まで絞れます。
★1&2着に上位3頭を狙う
1着…◎〇▲
2着…◎〇▲
3着…◎〇▲△△△
1&2着を3頭の争いに絞り込むと、買い目は24点となります。
このようにフォーメーションの組み方でも買い目は変わりますし、なによりボックス投票よりも大幅に買い目を減らすことが可能となります。
デメリットは買い目と購入点数が把握しにくいこと。これは慣れるしかありませんので、経験を積みながら覚えていきましょう。また、抜け目が出てしまうのもデメリットといえます。
流し投票
3連単の流し馬券の場合は、単純に軸馬を決めればいいというものではなく、着順も指定する必要があります。
軸1頭流しの場合、軸馬を決め、続いてその軸馬を何着に指定するかを決めます。多くの場合は1着固定の流し馬券かと思いますが、2着固定、3着固定でも投票可能です。
軸馬が2頭の場合は、軸馬を決めた後、2頭それぞれを何着に指定するかを決めます。1頭を1着、もう1頭を2着という形です。当然こちらも2&3着でも、1&3でも投票可能です。
購入点数は、軸2頭流しは相手に選んだ頭数がそのまま購入点数となります。軸1頭流しの場合は、相手の頭数により点数が変わってきますので、下の表で確認しておきましょう。
相手 | 3頭 | 4頭 | 5頭 | 6頭 | 7頭 | 8頭 |
点数 | 6点 | 12点 | 20点 | 30点 | 42点 | 56点 |
流し馬券のメリットは、やはり買い目の点数を抑えることができること。デメリットはタテ目や抜け目が発生することでしょう。
マルチ投票
最後にマルチ投票を紹介しておきます。マルチ投票は流し馬券の発展版。軸馬の着順指定がない買い方になります。
軸1頭マルチであれば、軸馬が1~3着のどの着順に入っても当たるのがマルチ、指定した着順に入らないと的中しないのが流し馬券となります。
これは軸2頭でも同様で、軸2頭マルチの場合、軸馬2頭が1~3着のどの着順に入っても的中するということになります。
★軸1頭マルチのイメージ
軸馬…◎
相手…〇▲△△△
この場合、の的中パターンは以下の通り。
- 1着…◎かつ2&3着…〇▲△△△のうち2頭
- 2着…◎かつ1&3着…〇▲△△△のうち2頭
- 3着…◎かつ1&2着…〇▲△△△のうち2頭
★軸2頭マルチのイメージ
軸馬…◎〇
相手…▲△△△
この場合、の的中パターンは以下の通り。
- 1着…◎・2着…〇・3着…▲△△△のうち1頭
- 1着…◎・2着…▲△△△のうち1頭・3着…〇
- 1着…▲△△△のうち1頭・2着…◎・3着…〇
- 1着…〇・2着…◎・3着…▲△△△のうち1頭
- 1着…〇・2着…▲△△△のうち1頭・3着…◎
- 1着…▲△△△のうち1頭・2着…〇・3着…◎
軸1頭マルチの買い目は、軸1頭流しの3倍、軸2頭マルチの買い目は、軸2頭流しの6倍となります。
マルチのメリットは、タテ目や抜け目の可能性を流し馬券よりも抑えることができること。かつボックス買いよりも点数を抑えることができることです。
デメリットはフォーメーション同様。買い目や購入点数の把握が難しいことが挙げられるでしょう。
3連単で勝つ方法
3連単で勝つのは簡単ではありません。勝つ以上まずは的中させる必要があり、このハードルが何より高いハードルと言えるからです。そこで、できるだけ3連単の的中を高める方法を検証していきましょう。
3連単を当てやすいクラス・高配当が期待できるクラス
レース数 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 | |
新馬・未勝利・未出走 | 1,532レース | 4,446,740円 | 550円 | 110,890.0円 |
1勝クラス | 955レース | 4,103,540円 | 670円 | 129,091.3円 |
2勝クラス | 473レース | 6,137,610円 | 660円 | 166,040.8円 |
3勝クラス | 202レース | 6,728,500円 | 1,310円 | 245,104.7円 |
OP・リステッド | 156レース | 1,328,450円 | 1,070円 | 99,189.1円 |
重賞 | 139レース | 4,219,320円 | 620円 | 251,989.7円 |
これは2020年に行われた全3,456レースを、クラスごとに分けて3連単の配当を抜き出した表です。単純に考えれば、平均配当がもっとも低いクラスが「当てやすいクラス」であり、もっとも高いクラスが「高配当が期待できるクラス」となります。
もっとも平均配当が低いのはOPクラスということになりますが、全体の流れを見ると、レベルの低いクラスほど平均配当が低く、レベルが高くなるほど平均配当も高くなる傾向にあります。
3連単を的中させたいなら新馬・未勝利などレベルの低いクラスを、3連単で一発大穴を狙うのであれば重賞を狙うのがおすすめ。ただしOPクラスのみ、3連単配当が落ち着く傾向にあると考えた方がよさそうです。
競馬場別の傾向
レース数 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 | |
札幌競馬場 | 168レース | 1,412,320円 | 550円 | 92,929.6円 |
函館競馬場 | 144レース | 3,432,870円 | 910円 | 128,997.6円 |
福島競馬場 | 240レース | 2,605,370円 | 1,630円 | 157,347.1円 |
新潟競馬場 | 312レース | 6,728,500円 | 1,660円 | 154,449.3円 |
中山競馬場 | 516レース | 6,137,610円 | 920円 | 123,964.7円 |
東京競馬場 | 540レース | 5,885,570円 | 660円 | 169,240.8円 |
中京競馬場 | 276レース | 5,294,840円 | 1,330円 | 109.618.2円 |
阪神競馬場 | 576レース | 3,302,390円 | 620円 | 125,737.1円 |
小倉競馬場 | 240レース | 2,811,900円 | 1,150円 | 156,295.1円 |
ローカル6場合計 | 1,380レース | 6,728,500円 | 550円 | 139,176.7円 |
中央4場合計 | 2,076レース | 6,137,610円 | 620円 | 134,651.9円 |
2020年の競馬場別の3連単配当です。中央4場(中山・東京・京都・阪神)とローカル6場(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)では平均配当に大きな差はありません。競馬場ごとでも大きな差はありませんが、北海道2場や中京ではやや平均配当が低い傾向があります。
買い方ごとの狙い方
3連単の主な買い方にあった狙い方を考えてみましょう。
ボックス投票は人気サイドで狙う馬が絞り込まれていることが狙える条件。ボックス投票は買い目が増えがちですので、できるだけ少ない頭数で考えることが重要になります。一発大穴を狙う場合というよりは、人気サイドで決まるレースで、少しでも配当を狙いたいときに使いましょう。
2021年春のGⅠ戦線で言えば、天皇賞【春】などは上位人気4頭の3連単ボックス買いで正解だったケース。24点買いで配当11,490円なら上手な予想といえるでしょう。
流し投票は、絶対的に信頼できる軸馬がおり、相手に悩んだ場合におすすめの投票方法です。そのため多くの場合は軸1頭・1着固定流しや、軸2頭・1&2着固定流しが主流となります。
軸2頭流しは、馬単で一点勝負できるほど自信がないと買えませんので、どちらかというと人気サイドを狙い、3着のヒモ荒れを期待しましょう。
軸2頭流しに適した2021年春のGⅠを考えると桜花賞がイメージに近いでしょうか。1&2着の馬単を狙えれば、仮に3~8番人気を3着に狙う軸2頭流し6点で、3連単10,400円を仕留めることができました。
軸1頭流しは反対に、穴馬を軸に指名し、相手に人気サイドを入れるのがおすすめ。不思議と人気はないけどぜひ狙ってみたい馬を買うときに有効な買い方です。
こちらも2021年春のGⅠを振り返ってみましょう。安田記念でダノンキングリーを本命に狙えれば、軸1頭流しで的中できた可能性の高いレース。相手を1~7番人気の7頭まで手を広げても買い目は42点。3連単の配当が110,420円ですから、これでも快勝と呼べる馬券になります。
フォーメーションは比較的いろいろなケースで狙える、3連単を狙うときには使いやすい投票方法です。基本はフォーメーションと考えておくといいでしょう。
マルチ投票は、流し馬券よりも点数が増えますので、人気サイドからの狙いにはあまりおすすめできません。人気薄を狙っているものの、その馬が勝つとまでは思えない時など、手広く狙うようにしましょう。
まとめ
競馬を楽しんでいくと、最終的に予想は3連単予想にたどり着きます。もちろん的中率という点では不安もありますが、当たった時の破壊力は想像以上です。
ちなみにこれは自慢話ですが、筆者が当てた最大の馬券は2007年の有馬記念。3連単800,880円を300円的中し、240万円の配当を手にしました。3連単は馬券がへたくそな筆者でも、帯封を狙える馬券であり、多くの競馬ファンが購入する夢の馬券。
的中させることを目指すのはもちろん、時には夢を見るような馬券も狙ってみるとより競馬を楽しめるでしょう。
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