JRAが発売する馬券の中に、「応援馬券」と呼ばれる馬券があります。これは特定の馬の単勝と複勝を同時に購入できる馬券であり、馬券の券面には「がんばれ」の文字が印刷されるため、「がんばれ馬券」とも呼ばれています。
この応援馬券が誕生した背景や、どのような時に購入すべきか、購入の際の注意点などをご紹介していきましょう。
応援馬券(がんばれ馬券)とは?買い方・メリットデメリットを徹底解説
目次
応援馬券の歴史
JRAで応援馬券が発売され始めたのが2006年。当時の中央競馬界を思い出すと、社会現象にもなる歴史的名馬の登場が思い出されます。
2005年に史上2頭目となる無敗の三冠馬となったのが、2021年現在リーディングサイヤーランキングを独走するディープインパクトです。普段は競馬を見ない層も、ディープインパクトの走りを見たいと競馬場に来場するようになりました。
さらにこの無敗の三冠馬の登場から数年前、高知競馬から全国区の人気を誇っていたのが、史上最弱馬と呼ばれたハルウララです。ハルウララは2003年12月にデビュー以来100連敗を達成。大きなニュースとなりました。
史上最弱馬の直後に史上最強馬が登場したことで、全国的な競馬ブームが到来。このタイミングで生まれたのが応援馬券と言うことになります。
記念に馬券を買うという考えが広まる
競馬場に、競馬ファン以外のお客さんが入場するようになると、多くの方が買い求めたのが「記念馬券」です。その日実際に競馬場でレースを見たという証拠に、ハルウララやディープインパクトの単勝馬券や複勝馬券を100円購入するお客さんが増加します。
単勝や複勝の馬券は、券面に馬名が印字されます。この馬名入りの馬券を記念馬券として購入する方が増えたわけです。
もちろんディープインパクトの場合、日本国内で負けたのは2005年の有馬記念のみ。当然単勝馬券も複勝馬券も払い戻しの対象となりますが、多くの方は払い戻しを受けずに、その日の記念として馬券を保管する方がほとんどでした。
ちなみに2003年頃のハルウララブーム当時、ハルウララの単勝馬券は記念馬券というだけではなく、交通安全のお守りとしても注目を集めます。勝ったことがない馬の単勝馬券ですから「当たらない」という意味で、交通安全のお守りとして身に着ける方も多数いたようです。
応援馬券の購入方法
2021年現在も販売されている応援馬券ですが、この馬券を見たことがないという方も多いかと思います。見たことがないという方は、普段ネットで馬券を購入しているのではないでしょうか?
応援馬券は各競馬場、および全国のウインズでしか購入できない馬券です。ネット投票では購入できません。
ウインズや競馬場に置いてある緑色のマークカードを見ると、「単+複」という項目があります。これが応援馬券を買うときにマークするポイントです。あとは馬番と金額をマークすれば、券面に「がんばれ」と印字された応援馬券が購入できます。
応援馬券の換金方法
応援馬券は記念馬券として購入することが多い馬券ですが、当然的中すれば換金することができます。換金する方法はほかの馬券と同様で、的中馬券を払い戻し機に挿入すれば、的中分の払い戻しを受けることができます。
ただし、この馬券を記念馬券として購入した場合、換金をしてしまうとその馬券は当然ながら手元に残りません。これでは記念馬券として保管することができないので注意です。
コピーサービスを利用
JRAの各競馬場やウインズでは、インフォメーションカウンターなどでコピーサービスを行っています。これは購入した馬券をコピーし、記念馬券として保管できるサービスです。
コピーサービスは1枚10円。もちろんコピーした馬券では払い戻しはできません。また重賞、特にGⅠレースの開催日などはコピーサービスが混みあいますので、馬券を購入したら早めにコピーをしておくといいでしょう。
応援馬券保管に関するポイント
JRAの馬券はいわゆる感熱紙に印刷されています。この感熱紙が導入されたのが2001年以降と言われており、近年の馬券はすべて感熱紙となっています。感熱紙に印刷された文字は熱に弱く、摩擦熱や太陽光などでも印字が薄れていくという特徴があります。この応援馬券をどのように保管すべきでしょうか。
まずは大気に触れないようにするのがポイントです。大気に含まれた熱でも印字は薄くなるため、真空パックの入れ物や、ラップのようなもので外気に触れさせないようにしましょう。
保管の際に大きな敵となるのが摩擦熱です。定期入れや財布に入れていると、ほかのカードなどと接触することで摩擦熱が発生し、やはり印字が薄くなってしまいます。記念馬券はしょっちゅう見返すものでもないと思いますので、専用のファイルなどに1枚ずつ入れて、できるだけ摩擦熱が発生しないように保管しましょう。
応援馬券で一攫千金
応援馬券の多くは、人気のある馬、有名な馬、強い馬になります。当然的中していても単勝・複勝の配当は低く、換金しても大きな収入にはなりません。しかしこの応援馬券で一攫千金を狙えることがあります。それがネットオークションです。
ネットオークションでは多くの応援馬券が出品されており、額面以上の金額で落札されているケースも目立ちます。
2021年9月24日現在、ヤフーオークションの履歴を振り返ると、2021年安田記念のダノンキングリーの応援馬券が、12,000円で落札されています。購入金額は単勝・複勝ともに100円ずつ。配当金は単勝で4,760円、複勝で710円ですから、額面以上の金額で落札されていることが分かります。
これはほんの一例で、過去には驚くような落札もありました。
過去の高額落札記念馬券
下の表は過去に実際にに落札された馬券の落札価格です。
日付 | レース | 馬名 | 式別 | 結果 | 落札価格 |
1993/8/15 | 3歳新馬戦 | ナリタブライアン | 単勝100円 | 不的中 | 141,000円 |
1996/6/2 | 日本ダービー | フサイチコンコルド | 単勝100円 | 的中 | 120,000円 |
1995/4/9 | 桜花賞 | ワンダーパヒューム | 単勝100円 | 的中 | 87,000円 |
1993/12/26 | 有馬記念 | トウカイテイオー | 単勝100円 | 的中 | 58,000円 |
的中している馬券も、フサイチコンコルド2,760円、ワンダーパヒューム2,130円、トウカイテイオー940円の払い戻し。これがすべて5万円以上の値で落札されています。
ナリタブライアンの新馬戦に関しては、2着に敗れているため純粋にハズレ馬券。金銭的な価値は0円です。その馬券に対しつけられた価格は14万円超え。驚きの高額入札です。
これから購入する応援馬券でも、こういった高額落札になる可能性はあり、ある意味夢のある馬券とも言えるでしょう。
まとめ
応援馬券とは、記念馬券を購入したいという、主にライトな競馬ファン向けの馬券です。馬券としては単勝と複勝を同時に同額購入できる馬券になっており、さらに券面に「がんばれ」の文字が印刷されます。
記念馬券ではあっても、当然馬券であることに変わりはありませんので、的中すれば払い戻しは可能です。ただし払い戻しをすれば、当然ですが馬券は手元に残りません。払い戻しをしたいけれど馬券も手元に残したいという方は、コピーサービスを利用するといいでしょう。
応援馬券は紙の馬券に印字することが大きな目的のため、馬券が発行されないネット投票では購入できません。応援馬券を購入する場合、競馬場もしくはウインズなどで紙の馬券を購入しましょう。
応援馬券は的中・不的中にかかわらず、後にネットオークションなどで高額落札されるケースがあります。こうした将来も見越して、遊びで応援馬券を購入するのも面白いかもしれません。
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