その昔馬券を購入するには、競馬場に行くか、全国各地に設置されているウインズに行くしか方法がありませんでした。しかし近年ではネット投票が馬券購入の主流。中央競馬のネット投票には3つの種類があり、まだ登録をしていない方はどの方法がベストか差が分かりにくい部分もあるかもしれません。
そこで、この記事ではネット投票のメリットやデメリット、さらにおすすめのネット投票に関してまとめていきましょう。
ネット投票のメリットとデメリット
ネット投票は、パソコンやスマートフォン、携帯電話などを利用して、時と場所を選ばず馬券の購入ができる投票方法です。もちろんメリットの方が大きいのですが、デメリットがないわけではありませんので、メリットとデメリットを解説していきましょう。
ネット投票のメリット
- 自宅にいながら馬券が買える
- 仕事の合間などでも馬券が買える
ネット投票の大きなメリットは、時間と場所を選ばず馬券を購入できるということ。自宅でテレビ観戦をしながら馬券を購入することができますし、仕事や用事の合間の時間でも、手軽に馬券が買えるというのは大きなメリットです。
2020年~2021年にかけて、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス。その感染拡大の影響を受け、中央競馬でも無観客開催や、観戦人数を制限しての開催を余儀なくされました。
新型コロナウイルスの感染拡大で、不要不急の外出が問題視されたタイミングでは、競馬場はおろか、毎週末ウインズに通うことすら躊躇われたのが事実。このような異常事態でも、ネット投票であれば競馬を楽しむことができます。
実際に2020年のJRAにおける馬券の売り上げは2兆9834億5587万2000円。前年比103.5%で、9年連続で増加という結果が出ています。この原動力となったのがネット投票です。
ネット投票のデメリット
- 競馬場でライブで楽しむ機会が減る
- 現金購入と違い資金の管理が難しい
競馬の楽しみ方のひとつに、ライブで迫力のあるレースを観戦するという方法があります。特にライトな競馬ファンは、馬券と同じくらいレース観戦を楽しんでいる傾向があります。
ネット投票ではこのライブ感を味わうことができません。もちろん競馬場で観戦しながらネット投票をする方もいますが、自宅などでネット投票をするだけという機会が増えると、新規ファンの関心を引くための重要なコンテンツでもあるライブ観戦の機会が減るということになります。
また資金管理の難しさもあります。ネット投票は基本的に銀行口座から直接入金し投票します。自分の手で現金を動かさないため、現金を賭けている実感が薄くなるという問題があります。
実際に現金を動かさないため、予定以上の金額を賭けてしまうということも少なくありません。しっかりと資金管理ができる方でないと、ついついお金を使いすぎてしまうケースが増える危険性が考えられます。
ネット投票は3種類
- 即PAT
- A-PAT
- JRAダイレクト
JRAのネット投票には3つの方法があります。それぞれの違いが分かるように表にまとめてみましょう。
即PAT | A-PAT | JRAダイレクト | |
利用開始までの期間 | 登録当日から利用可能 | 約2~4ヶ月 | 登録当日から利用可能 |
決済口座 | JRA指定の普通口座 | JRA指定の専用口座 | クレジットカード 引き落とし口座 |
発売開始時刻 | 金曜18:30~ | 土曜7:00~ | 金曜18:30~ |
投票方法 | ネット投票 | ネット投票 プッシュホン投票 |
ネット投票 |
発売締め切り時刻 | 発走時刻の1分前 | 発走時刻の1分前※1 発走時刻の5分前※2 |
発走時刻の5分前 |
システム利用料 | ナシ | 100円/回 | |
最低購入金額 | 100円/回 | 1,000円/回※3 | |
1ヶ月の利用制限 | 制限なし | 10万円/月 | |
地方競馬発売 | 対応 | 特定日のみ対応※4 | 非対応 |
海外競馬発売 | JRA指定レース のみ対応 |
JRA指定レース のみ対応※5 |
非対応 |
※1…A-PATのネット投票のみ1分前
※2…A-PATのプッシュホン投票は5分前
※3…購入単位は100円単位も、1回の投票は最低1,000円以上
※4…JRA開催日・特定の祝休日・JBC開催日
※5…平日のレースは非対応
では各投票方法の特徴やメリット・デメリットを細かく解説していきましょう。
デメリットが少ない即PAT
- スマホで投票可能
- 即日投票可能
- 特定の銀行口座を作る必要がある
- プッシュホン投票が利用できない
もっとも多くの方が利用しているのが即PATです。ネット投票のシステムとしてはあまりデメリットがないのが大きな特徴で、多くの方が利用しやすいネット投票方法と言えるでしょう。
メリット・スマホで登録から投票まで
JRA指定の銀行に普通口座を持っていれば、あとはスマホやパソコンでJRAのサイトへ行き、申し込み手続きを行うだけ。最短申し込み当日から利用できるため、そのまま投票することも可能です。
スマホ1台ですべての手続きが行える利便性は大きなメリットといえるでしょう。
デメリット・JRA指定の銀行口座が必要
★即PAT対応のJRA指定銀行
PayPay銀行 | 楽天銀行 | 三井住友銀行 |
三菱UFJ銀行 | 住信SBIネット銀行 | auじぶん銀行 |
ゆうちょ銀行 | りそな銀行 | 埼玉りそな銀行 |
即PATを利用するにはJRAが指定する銀行で口座を開設する必要があります。口座は通常使える普通口座で問題ありませんので、すでに持っている方はその口座で申し込みが可能です。
しかし、口座がない方は新たに口座開設の手続きが必要であり、この手続きに1~3週間かかるという手間と時間が必要になります。
デメリット・即PATはネット投票のみ
デメリットを無理やり探せば、即PATはネット投票のみで、電話を利用したプッシュホン投票に対応していないということが挙げられます。スマホや携帯電話を持っていない方、自宅にネット回線がない方などは利用が難しいということになります。
ネット環境がなくても利用できるA-PAT
- 電話でも登録&投票可能
- 汎用性のない専用口座が必要
- 登録完了まで時間がかかる
かつては「電話投票」と呼ばれていた方式で、現在ではネット投票と電話投票双方に対応した唯一の投票方法になります。
メリット・ネット環境がなくても投票できる唯一の方法
A-PATの大きなメリットは、ネット環境がない方でも、携帯電話やプッシュホンタイプの電話機があれば登録・投票が行えることでしょう。ほかの方法ではネット経由でしか登録・投票が行えないため、特に高齢の方などが利用する傾向にあります。
デメリット・登録するのにかかる手間が多い
★A-PAT専用口座が作れるJRA指定銀行
みずほ銀行 | りそな銀行 | 三菱UFJ銀行 |
三井住友銀行 | 東邦銀行 | 福岡銀行※1 |
第四北越銀行※2 | 広島銀行※2 | 北洋銀行※2 |
※1…専用口座開設費用770円(税込)
※2…専用口座開設費用1,100円(税込)
※…注釈なしの銀行は専用口座開設費用無料
A-PATを利用するには、JRA指定の銀行にA-PAT専用口座を開設する必要があります。この専用口座は通常の普通口座とは別の口座となるため、A-PAT以外では活用できない口座であり、JRA指定の銀行に普通口座を持っていても、その口座とは別に新規開設の必要があります。
口座開設にも時間と手間がかかりますが、さらに登録から利用開始まで最長4ヶ月程度の時間が必要であり、相応の時間と手間が必要というデメリットがあります。
JRAダイレクト
- 現金がなくてもクレジットカードで投票可能
- 新規口座開設の必要なし
- JRA指定のクレジットカードが必要
- 月間の利用制限がある
- スマホからの登録・投票はサポート対象外
JRAダイレクトはクレジットカードで馬券が買える唯一の方法です。投票方法はネット投票であり、その手軽さで利用者が増えている方法でもあります。
メリット・現金なしでも馬券が購入できる
★JRA指定のクレジットカード
JCBカード | 三井住友カード | UCカード | MUFGカード (UFJカード含む) |
DCカード | NICOSカード (JAカード含む) |
楽天カード |
※家族カード・法人カードは利用不可
※一部の提携カードは利用不可の場合あり
※カード名義と銀行口座名義が一致していないと利用不可
JRAダイレクトはクレジットカードから馬券を購入できる唯一の方法。クレジットカードは本人名義であれば比較的多くの種類が対応しているので、使いやすい投票方法と言えるでしょう。また即PAT同様、登録した当日から投票可能なスピード感も魅力です。
デメリット・スマホからの投票はサポート対象外
JRAダイレクトの登録・投票は基本的にパソコンから行います。スマホからも登録・投票は不可能ではありませんが、JRAのサポート対象外となるため、推奨はできません。毎週末自宅などで、必ずパソコンがある環境の方は問題ありませんが、そうではない方は利用しづらいかもしれません。
またクレジットカードの所有が条件のため、アルバイトの方や学生の方などはクレジットカード所有の点で難しい場合があるかもしれません。
おすすめネット投票即PATの登録方法
- 即PATの約定をよく読み同意する
- 銀行口座の情報を入力する
- 銀行サイトにログインし口座確認を行う
- 即PATの新規登録画面で入力する
- Club JRA-netに登録するかどうかを選択する
- メールアドレスを登録する
- 申し込み完了
ここからはもっとも使いやすいと思える即PATの新規登録方法を解説していきます。ここではJRA指定の銀行口座を持っている、もしくは新たに開設し終わったという前提で手順を解説していきます。
また、登録に関しては口座を持つ銀行により、多少違う部分もありますが、大筋は同じですので、ここでは三井住友銀行の口座を持っている方向けの手順で説明していきます。
手順①まずは約定を確認
約定に関しては、時間があればしっかりと読んでおきましょう。問題がなければ同意して次に進みます。
手順②口座情報を入力する
手元に銀行口座のキャッシュカードなどを用意し入力をします。このページで氏名(口座名義)、生年月日、性別、店番号、口座番号を入力します。
手順③銀行のサイトでログイン認証
必要事項の入力が終わると三井住友銀行のサイトに飛びますので、口座確認を行います。ここは銀行ごとに入力すべき項目がありますので、確認しておきましょう。
手順④即PATに新規登録を行う
ここまでは銀行口座の情報入力でした。この手順から即PATへの登録となります。氏名・住所・電話番号を入力し、好きな暗証番号を指定して次の手順に進みます。
手順⑤ClubJRA-netへ加入するかどうかを決める
続いてClub JRA-netへ可能するかどうかを聞かれます。加入は後ほどでもできますので、この時すぐに加入する必要はありませんが、Clb JRA-netに加入すると「万馬券的中証明書」の発行や、馬券の成績データの参照など、便利な機能が多く、無料ですので加入しておくのがおすすめです。
手順⑥メールアドレスの登録
Club JRA-netへの加入を希望した場合、約定の確認やメールアドレスの登録を行います。
手順⑦申し込み完了
これで申し込みは完了です。申し込み完了画面には「加入者番号」、「暗証番号」、「P-ARS番号」、「INET-ID」が表示されます。これらの番号は、即PAT投票時必ず必要となる番号ですので、すべてメモしておきましょう。
ネット投票でできること
ネット投票は、スマホやパソコンの画面上で馬券を購入しますので、馬券自体は発行されません。それでもネット投票だからこそできることもありますので、いくつかご紹介しておきましょう。
WIN5の投票が可能
WIN5に投票できるのは、もともとネット投票のみでした。2021年現在ではUMACAを利用して競馬場やウインズでも専用券売機から購入できますが、ほかの馬券を購入する一般的な券売機やマークカードではWIN5は購入できません。
万馬券証明書が発行される
万馬券を的中させた場合、その事実を証明すべく、万馬券証明書が発行されます。自身の競馬予想をブログに掲載している方などは、過去の万馬券証明書をブログに載せるなどしていることが多いようです。
自分の的中を証明してくれる証明書の発行のネット投票らしいサービスといえるでしょう。
まとめ
今や競馬の馬券は自宅などからネットで購入するのが主流です。ネットで馬券購入が可能になれば、日本全国どこにいても馬券購入が可能。近所に競馬場やウインズがない方でも、気軽に競馬を楽しめるようになるでしょう。
ネット投票の申し込みには、銀行口座の開設など、ある程度準備が必要ですので、詳細はJRAのHPなどで確認し、事前に準備しておくといいでしょう。
馬券全14種類の解説とそれぞれの勝ち方を知りたい方はこちらの記事をクリックhttps://theuniversethewars.com/